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国内中間処理にみるSSIP式コスト削減方法

 特許査定までのトータルコストは、拒絶理由への対応の仕方によって大きく影響されます。対応の仕方がよくないと拒絶理由の通知回数が多くなり、その結果、拒絶査定になる確率が高くなってしまいます。
 権利範囲を不必要に狭めることなく、少ない拒絶理由の通知回数で特許査定に至るように、以下のポイントを基本的考えとして

(1)拒絶理由の妥当性を慎重に検討する。明らかに妥当でない場合には、補正を行わず意見書のみでの反論も検討する(ちなみに、補正なしの反論は覆る可能性が高くないのも現実ですので、この場合、面接審査も積極的に提案する)。

(2)メインクレームについては必要十分な補正のみを行い、過度な限定補正を行わない

(3)メインクレームの補正に終始せず、権利化のポイントになる箇所については、従属クレームの補正、新クレームの追加も積極的に検討する。これにより、仮に再度拒絶理由が通知されることになっても、次の対策を効率的にたてることができます。
※外国出願の場合には、各国制度によって対応が変わります。

 このように中間処理においても、権利範囲を確保しつつ、拒絶理由の通知回数を抑えることでトータルコスト削減を実現しています。この方法がうまく機能している証拠として、SSIPの拒絶理由通知の克服率は非常に高い水準を維持しています。


※ちなみに、「新規出願から始まるSSIP式コスト削減方法」は、こちらからどうぞ↓
http://jpatwatanabe.blog.fc2.com/blog-entry-113.html

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プロフィール

渡邊裕樹

Author:渡邊裕樹
弁理士の渡邊裕樹です。特許・商標を中心に、国内外の知的財産業務に従事しています。権利化・調査・鑑定・審判・係争など、幅広く取り扱っています。

☆経歴☆
・山形県出身
・東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻修了(理学修士)
・計測機器エンジニアを経て、2007年に弁理士試験合格(弁理士登録番号:15913)。その後、大手特許事務所を経て、権利化業務を中心に知的財産業務に従事中。

☆使用言語☆
日本語、英語、中国語

☆所属団体☆
・日本弁理士会(JPAA)
・アジア弁理士協会(APAA)

☆その他☆
・日本弁理士会関東支部 常設知的財産相談室 相談員
・知財総合支援窓口 派遣専門家
・東京都知的財産総合センター 登録相談員
・日本弁理士会 知財キャラバン事業 支援員
・ジュニア野菜ソムリエ

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