アフリカへの特許出願(概要編)
アフリカでは国内法での知財保護が困難な国が多いため、ARIPOやOAPIのような多国籍政府機関が発達しています。これらに加盟している国では、自国での国内法令を設けることを放棄し、且つ、特許庁を有さないことに代えて、これらの機関が国内官庁の役割を果たすと共に共通の法令を提供しています。
(1)アフリカ広域知的財産機関:ARIPO(African Regional Intellectual Property Organization)
ARIPOは英語圏を中心とした加盟国から構成される多国籍機関です。ターゲットとする国がARIPOの加盟国であれば、その国に直接手続きを直接行うのではなく、ARIPOに対して行う必要があります。
以下、ARIPOの主な特徴をまとめました。
・英語圏16ヶ国が加盟(ボツワナ、ガンビア、ガーナ、ケニヤ、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)
・公用語は英語です。
・本部はジンバブエのハラレです。
・ARIPOの加盟国は、全てパリ条約・PCTの締約国です。
※ただし、正加盟国でも、特許に関する「ハラレ議定書」と商標に関する「バンジュール議定書」のどれを締結しているかはバラバラなので確認が必要です。
(2)アフリカ知的財産機関:OAPI(Organisation Africaine de la Propriete Intellectuelle)
OAPIはフランス語圏を中心とした加盟国から構成される多国籍機関です。ターゲットとする国がアフリカ知的財産機関(OAPI)の加盟国であれば、その国に手続きを直接行うのではなく、OAPIに対して行うこととなります。以下、OAPIの特徴について、簡潔にまとめました。
・バンギ協定により設立され、本部はカメルーンのバウンデにあります。
・加盟国はフランス語圏16ヶ国です(ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コートジボワール、ガボン、ギニア、ギニアビサウ、赤道ギニア、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガル、チャド、トーゴ)。
・加盟国に共通の知的財産法・機関を提供します(各加盟国は独自の国内法令や特許庁を有していません)。
・公用語はフランス語と英語です。
・特許権や商標権は、OAPI出願によって取得できます。OAPI出願は特定の国を指定することはできず、自動的に全加盟国が指定され、権利付与時には全加盟国で保護されます。 つまり、OAPIの加盟国で権利取得したい場合には、特定の加盟国だけに出願することはできず、OAPI出願する必要があります。
・OAPI出願で得た知的財産権は、自動的に各加盟国で有効な権利になります。そして権利侵害については各加盟国の裁判所によって判断されます。
・OAPIの加盟国は、全てパリ条約・PCTの締約国です(ちなみに、著作権に関するベルヌ条約にも全加盟国が加入していますが、衣装に関するヘーグ協定は一部加盟国のみ加入しており、商標に関するマドリッドプロトコルについては加入国がありません)。
(3)その他
・エジプトや南アフリカでは、上記多国籍機関には属さず、独自の法制度・特許庁を有する国もあります。これらの国は、パリ条約・PCTを締結していますので、通常の外国出願と同様に、パリルート、PCTルートの利用が可能です。ただし、南アフリカでは翻訳文が英語なので問題ないですが、エジプトでは翻訳文がアラビア語であることに注意が必要です。
<まとめ>
・アフリカへの出願をする場合、まずはARIPOやOAPIの加盟国であるかどうかを確認する必要があります。加盟国である場合、その機関単位で出願を行う必要があります。
・基本的に多くの国でパリルート・PCTルートが利用可能です。
・翻訳文は基本的に英語で足りますが、独自の制度を有する一部の国でアラビア語のような特殊な言語が必要とされる場合があります。
※今回は概略のみですが、今後必要に応じて情報収集を行い、公開していきたいと思います。
(1)アフリカ広域知的財産機関:ARIPO(African Regional Intellectual Property Organization)
ARIPOは英語圏を中心とした加盟国から構成される多国籍機関です。ターゲットとする国がARIPOの加盟国であれば、その国に直接手続きを直接行うのではなく、ARIPOに対して行う必要があります。
以下、ARIPOの主な特徴をまとめました。
・英語圏16ヶ国が加盟(ボツワナ、ガンビア、ガーナ、ケニヤ、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)
・公用語は英語です。
・本部はジンバブエのハラレです。
・ARIPOの加盟国は、全てパリ条約・PCTの締約国です。
※ただし、正加盟国でも、特許に関する「ハラレ議定書」と商標に関する「バンジュール議定書」のどれを締結しているかはバラバラなので確認が必要です。
(2)アフリカ知的財産機関:OAPI(Organisation Africaine de la Propriete Intellectuelle)
OAPIはフランス語圏を中心とした加盟国から構成される多国籍機関です。ターゲットとする国がアフリカ知的財産機関(OAPI)の加盟国であれば、その国に手続きを直接行うのではなく、OAPIに対して行うこととなります。以下、OAPIの特徴について、簡潔にまとめました。
・バンギ協定により設立され、本部はカメルーンのバウンデにあります。
・加盟国はフランス語圏16ヶ国です(ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コートジボワール、ガボン、ギニア、ギニアビサウ、赤道ギニア、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガル、チャド、トーゴ)。
・加盟国に共通の知的財産法・機関を提供します(各加盟国は独自の国内法令や特許庁を有していません)。
・公用語はフランス語と英語です。
・特許権や商標権は、OAPI出願によって取得できます。OAPI出願は特定の国を指定することはできず、自動的に全加盟国が指定され、権利付与時には全加盟国で保護されます。 つまり、OAPIの加盟国で権利取得したい場合には、特定の加盟国だけに出願することはできず、OAPI出願する必要があります。
・OAPI出願で得た知的財産権は、自動的に各加盟国で有効な権利になります。そして権利侵害については各加盟国の裁判所によって判断されます。
・OAPIの加盟国は、全てパリ条約・PCTの締約国です(ちなみに、著作権に関するベルヌ条約にも全加盟国が加入していますが、衣装に関するヘーグ協定は一部加盟国のみ加入しており、商標に関するマドリッドプロトコルについては加入国がありません)。
(3)その他
・エジプトや南アフリカでは、上記多国籍機関には属さず、独自の法制度・特許庁を有する国もあります。これらの国は、パリ条約・PCTを締結していますので、通常の外国出願と同様に、パリルート、PCTルートの利用が可能です。ただし、南アフリカでは翻訳文が英語なので問題ないですが、エジプトでは翻訳文がアラビア語であることに注意が必要です。
<まとめ>
・アフリカへの出願をする場合、まずはARIPOやOAPIの加盟国であるかどうかを確認する必要があります。加盟国である場合、その機関単位で出願を行う必要があります。
・基本的に多くの国でパリルート・PCTルートが利用可能です。
・翻訳文は基本的に英語で足りますが、独自の制度を有する一部の国でアラビア語のような特殊な言語が必要とされる場合があります。
※今回は概略のみですが、今後必要に応じて情報収集を行い、公開していきたいと思います。
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